【技】Windows版QEMUで旧OSを動かす!

 新年早々いろいろあって低浮上でした。ハイウィザード鯖の管理人です。
 1月~2月にかけて、ハイウィザード鯖のメインシステムに不調が発生、原因を追究していくうちに老朽化という結論に至り、2月中は復旧と新システムへの移行作業を進めていました。これを契機に、いつも使っているノートパソコンを買い替えて、Win11対応のゲーミングノートを手に入れました。これでFFXIVを遠征先でも持ち運べるというありがたさ。フェブラリーステークスでソダシさんが3着に入ってダート適正〇を証明してくれたおかげで払戻金もちょっと上乗せ、題してソダシパソコン爆誕である。(予算的には全然足りないけど足しにはなった)
 こうして手に入れたゲーミングノートパソコン。5年以上使ったGTX750に別れを告げ、intel第11世代のi5とメモリ16GB、GTX1650とそこそこの性能。でもFFXIV程度ならパワフルという感じのパソコンで、自分的に満足。
 ・・・さて、室内にあるサーバーを交換→再構築する傍ら、手に入れたゲーミングノートを初期設定していくうちに、古いゲームとかでも遊びたいなーと思ってVMware Workstation Playerを入れようと思ったのですが、せっかくLinuxの技術があるならと、Windows版QEMUを試してみようと思い、今回の仮想化ソフトをQEMUに変更。それで古いOSを動かしてみようと、技術メモを記しておきます。意外とWindows版QEMUの記述は少なかったので簡単に。

★ VMwareとQEMUの違い・・・
 Windowsで仮想化なら「VM」Linuxで仮想化なら「QEMU(+KVM)」という感じであっていると思います。どちらも無料(VMは条件付き)で使えるもので、WindowsならVM一択。なぜならVMを入れるだけでガイダンスに従いGUIで仮想環境を構築できるので、何も考えずに仮想PCが持てる手軽さが売り。一方のQEMUはLinuxでは標準でインストールされていて、VMと同等に仮想環境を構築できるに対しWin版はちょっと癖がある。ただQEMUは完全無料のオープンソースな仮想化システム。Win版あるなら選択肢に入れてもよいはずと、新しく購入したソダシパソコン・・・もといゲーミングノートパソコンに入れてみる。

★ Windows版QEMUのセットアップから仮想化導入
 まずはQEMUの公式からWindows版QEMUをダウンロードする。Windows10の64Bit版ならここからダウンロードできる。
 ダウンロードしたらインストールを行う。問題はインストール完了後。実はQEMUのWindows版はQEMUを選択して起動・・・というものではなかったのだ。コマンドプロントを立ち上げてコンソール操作をして立ち上げる。ちょっと面倒。Linux版ではKVMという別のシステムを経由することで立ち上げるためVMwareと同じ感覚で使えるのだが・・・Windows版では難しいのだ。
 ただ、バッチファイル(〇〇.bat)を作ることで若干は楽することができる。それも含めて説明すると・・・

★ Windows版QEMUインストール後の操作。
 まず「コマンドプロント」を管理者で起動する。コマンドプロントはスタートメニューからWindowsシステムツールの中にある。ファイル名を指定して開くなら「cmd」を打ち込んでもよい。
 コマンドプロントを立ち上げたら以下の文字列を入力する。
set path=%path%;C:\Program Files\qemu → QEMUのバッチ適用
qemu-system-x86_64 -version → ヴァージョンの確認
 QEMU emulator version 6.2.0 (v6.2.0-11889-g5b72bf03f5-dirty)
 Copyright (c) 2003-2021 Fabrice Bellard and the QEMU Project developers

★ 仮想PCの作成
qemu-img.exe create -f qcow2 〇〇.qcow2(→仮想HDDファイル) 100G(→容量) → 仮想HDDを作成

 インストール用に以下のバッチファイルを仮想HDDファイルを作成したフォルダーに作成する。

@ECHO OFF
set PATH=%PATH%;C:\Program Files\qemu
START qemu-system-x86_64w.exe -m 4G(メモリ容量を指定) -cdrom インストールメディア.iso ^
-smp 2(CPUコア数を指定) -drive file=〇〇.qcow2 -boot once=d

 上記の内容のbatファイルを作成したら仮想HDDファイルのある場所に保存し、実行することでQEMUで仮想化システムが立ち上がる。
 インストールが終わったのち、上記で作成したバッチファイルのうち「START」の行を変えることでハードウェア構成をカスタマイズすることができる。不具合やチューニングが必要であればこの行を書き加えるだけで調整ができる。
 以上のことを考えると、実はVMよりコマンドで微調整ができる点ではQEMUはいいのかもしれない。
 ・・・VMwareより手間はかかるものの、完全無料で使える仮想化ソフトをとても貴重。しかもVMwareと同じように使える点においてはオープンソースのほうがコストはかからなくてもよい。Linuxに慣れ親しんでいる人なら十分使えると思うので、QEMUのWindows版もどしどし使っていきたいと思っている。

 いろいろと書きたいことはあるけど、今回はQEMUの仮想化に絞ってお話を・・・