【技】TV録画用HDDのBackup方法

 市販されているTVの大半の機種でUSB外付けハードディスクによるHDD録画が可能です。大手家電メーカーの製品はもちろん、ホームセンターや大型スーパー等で販売されているノーブランド品も録画用のUSB端子があります。そこにUSB外付けHDDをつなげるだけで手軽に番組録画ができます。使用するHDDは問わない為、割と高価なブルーレイ録画機などの専用録画機を用意する必要もなく、手軽で安価な方法と言えます。

 ・・・しかし、デメリットがあり、つなげた外付けHDD内の録画データはつなげたTV以外で再生ができないという点。つまり1台限り。TVが故障したり、修理したりすれば再生はできなくなります。その面を考えれば素直に4~5万円するHDD録画機やブルーレイ録画機を買ったほうがお得かもしれません。またHDDには破損リスクがあり、特に外付けHDDの破損リスクは通常のHDD録画機以上に高めです。ノートパソコンのお供として使っている普通の外付けHDDを使う訳ですから・・・

 破損リスクにはバックアップが必須。ブルーレイ録画機ならHDDに記録したデータをブルーレイに記録して保存することはできます。一方USB外付けHDDはどうしたらいいのか?

 実はメーカーによっては、Linuxの簡単な知識があればバックアップをすることができます。大手メーカー東芝のREGZAはファイルシステムにLinux独自のファイルシステムを使用しているので、認識さえすればDDコマンドを活用することでバックアップし、新しいHDDへ移して復元、リストアが可能です。応用すれば容量増加も可能で、1TBのディスクから3TBなど大容量化も可能。安価に録画した番組を楽しめます。ただし、TV本体がぶっ飛んだら再生できなくなる点に変わりないのですが・・・

 具体的な方法は以下の通り。

★ LinuxOSを利用したPCシステム復旧ディスクを用意する。
 代表的なシステム復旧ソフトに「SystemRescueCD」がありますので、こちらをダウンロードし、DVD等に焼きます。

★ SystemRescueCDを起動してバックアップ操作をする。
 適当なWindowsPCにTV録画で使用している外付けUSBのHDDを接続して、SystemRescueCDをDVDブート。立ち上がった後に「GNOME端末(Terminalとも言われる)」を起動してコンソールを立ち上げます。
 GNOME端末が起動したら、fdiskコマンドでディスク情報を確認。Linuxのディスク情報は「/dev/sda」のように表示されるので、これをヒントに接続した外付けHDDを探します。REGZAの場合Linuxのファイルシステム(XFS)を使用している。これをヒントにディスクデバイスを探したら・・・
 DDコマンドとgzipコマンドの併用でバックアップ操作。ちなみにDDコマンドの指定を間違えるとWindowsのデータぶっ飛んでしまうので、HDDの指定は間違えないように。1TBの容量であれば6時間ぐらいかかる。

fdisk -l → 接続しているディスク情報を確認=外付けUSBHDDを探す。
mkdir /Backup ← Backup先フォルダを作成。
dd if=/dev/sdb bs=64k | gzip -c -9 > /Backup/TV_Backup.ddimg.gz ← バックアップコマンドの例
  /dev/sdb → 外付けHDDのパスを指定
  /Backup/TV_Backup.ddimg.gz → バックアップ先を指定

 以上のコマンドを実行し完了した後に新しいUSB外付けHDDを接続。リストアを行う。fdiskコマンドを使用して新しい外付けUSBHDDを特定し以下のコマンドでリストアを行う。

gunzip -c /Backup/TV_Backup.ddimg.gz | dd of=/dev/sdb bs=64k
  /Backup/TV_Backup.ddimg.gz → バックアップファイルを指定
  /dev/sdb → 新しい外付けHDDを指定

 ここの場面でバックアップ先のHDDをWindowsのHDDを指定してしまうとデータがぶっとんでしまうので操作は慎重に行うように・・・。DDコマンドはデータにとって使い方を誤ると危険なコマンド。一度実行するとすぐにキャンセルしてもデータが消失します・・・((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

 リストア先のHDDが増加する場合(例1TB→3TBなど)は追加で「QTpart」を立ち上げ、GUIウィンドウ上でマウス操作することで容量を増加可能。
 バックアップファイルは「SystemRescueCD」を終了すると基本的に消えてしまいます。正しあらかじめWindowsHDDをマウントしておき、WindowsHDDをバックアップ先に指定しておくことで残すことはできますが接続したTV限定となるため他に流用したりはできません。

 ここまでの一連の操作はデータ操作のため、データが消えてしまうリスクがあります。慎重に操作するようにしてください。(当方では一切の責任を負いません。自己責任でお願いします!)
 また、今回はREGZAの一部機種の例なので、他のTVで利用できるかは不明です。実際、某量販店で購入したPixela製の外付けUSBハードディスクはLinux上では不明なファイルシステムとして認識され、DDコマンド等のバックアップはできませんでした。(厳密にはできるが、新しいHDDで再生が不可。もちろん拡張も無理)

 ただ、ファイルシステムさえ理解ができれば外付けUSBの録画でも安心してTV録画を楽しめる点では安価かつ手軽な方法であるので、参考程度に。BDやHDD録画機より場所は取らないですし・・・

 補足ですが、TVに使うUSBの外付けHDDはメーカーが指定していたり、又は周辺機器メーカーでTV録画対応等の表記がされているモノを使うべきという話もあるのですが、厳密にはどの外付けHDDを使っても問題はないと思います。極論中古のHDDと外付けUSBケースを購入して自作の外付けディスク→TVのUSB端子に接続しても認識はします。(一部ダメな奴もあるらしいがこれまでに経験がない)最近は4TB~6TBクラスの中古HDDも安くなっているし、外付けケースは2000円程度で手に入るので、周辺機器メーカーの既製品よりも安く手に入れられます。メーカー保証があるかないかだけの違いでしょうか?